政府は、本年6月までに地球温暖化の中期目標(2020年の温室効果ガス排出量についての削減目標)を決定するにあたりその選択肢を公表し、広く意見を募集しましたので、東京消費者団体連絡センターは、下記の意見を提出しました。
2009年5月16日
内閣官房
「地球温暖化問題に関する懇談会」御中
地球温暖化対策の中期目標に対する意見
東京消費者団体連絡センター
代表委員
NPO法人東京都地域婦人団体連盟 川島 霞子
主婦連合会 奥 利江
東京都地域消費者団体連絡会 内藤 裕子
新日本婦人の会東京都本部 根本かおる
東京都生活協同組合連合会 竹内 誠
大田区消費者団体連絡協議会 〆野 啓子
葛飾区消費者団体連合会 谷茂岡正子
事務局長 矢野 洋子
東京消費者団体連絡センターは、1985年設立以来、消費者のいのちとくらしをまもり、消費者の権利を確立するために、都内消費者団体の日常的連携をつよめ、東京における消費者運動を前進させることを目的に活動している、消費者団体のネットワーク組織です。
貴懇談会より募集されています「地球温暖化対策の中期目標に対する意見」につきまして、下記の意見を提出いたします。
記
(1)我が国の温室効果ガスの中期目標(2020年)は、どの程度の排出量とすべきか
⇒提案の最大削減項目⑥(2005年比-30%、1990年比-25%)を支持します。
<理由>
① 産業革命前と比較して気温上昇が2℃を超えると温暖化被害が急速に悪化するといわれています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告を始めとする科学の要請に基づき、長期的な地球温暖化被害の食い止めのために、そして気候変動による影響から子や孫の世代を守るために、最低この数値目標が必要と考えます。
② アメリカや中国などの主要排出国が参加する枠組み作りの国際交渉をリードするためには先進国が大幅な削減を約束することが必要です。
③ 経済的な影響をいかに抑制できるかについては、温暖化対策の導入コストは回収可能であり、どの選択肢を選んでもGDPは成長する、という分析結果が国立環境研究所より出されています。また、低炭素社会への投資を促し、我が国の環境技術の強みを伸ばせるという視点からも、温暖化対策を経済成長の原動力にしていく、積極的な削減目標が必要です。
(2)その中期目標の実現に向けて、どのような政策を実施すべきか
⇒積極的な温暖化対策に向けて、応分の負担を前提に、必要と考えられるいくつかの案を以下に示します。
・ CO2削減に努力する行為に経済的なメリットが得られる政策。
・ 既存の省エネルギー・再生可能エネルギー技術を最大限活用して拡大し、十分な排出削減を実施する政策。
・ 省エネルギー・再生可能エネルギーに投資することで無駄なエネルギー消費と費用を減らす政策。
・ 我が国でCO2排出量の7割(2007年度)を占める発電部門や産業部門の削減余地は大きく、余地に対する削減政策。
・ 温暖化対策に投資して、新たな産業や雇用の創出、国内消費の拡大政策。
・ 環境技術を強みとして活用することでの国際競争力の強化政策。
・ エネルギー自給率の向上政策。
(3)その他、2020年頃に向けた我が国の地球温暖化対策に関する意見
⇒・低炭素社会の実現には社会構造そのものを変化させる対策も必要です。そのビジョンと対策を明確に打ちたて、計画的に対策を実施していくことを要望します。
○ 今回の意見募集に示された「地球温暖化の中期目標の選択肢」は、十分検討されていない視点があり、国立環境研究所AIMプロジェクトチームが『モデル分析の限界』として指摘している事項を以下に再掲し、今後の検討に活かしていただきたいことを強く要望します。
・ モデルは現在の社会を基本としたものである。
・ 目標設定に際して、温暖化対策を講じない場合の費用が評価されていない。
・ 対策が導入されれば、活動量や消費行動そのものも変わりうる。
・ 長期目標との整合性の検討に当たって将来の技術のメニューがあらかじめ想定されている。
・ 国際交渉の前提は適切か検証する必要がある。
・ 現行の経済モデルでは温暖化対策を行うとGDPという指標では必ずロスが生ずる。
・ 社会構造そのもの変化による効果は表現されていない。
以上