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2009/01/14|活動報告(食)

「東京都環境保全型農業推進基本方針」改定案および「東京都有機農業推進計画」に対する意見を提出

東京都産業労働局は、今後の都の環境保全型農業への考え方をまとめた「東京都環境保全型農業推進基本方針」の改定と有機農業推進法に基づく「東京都有機農業推進計画」の年度内策定に向けて中間まとめを作成して12月3日より意見を募集しましたので、東京都生協連は1月9日付で下記の意見を提出しました。

2009年1月9日

東京都産業労働局
農林水産部 御中

東京都生活協同組合連合会
都政政策小委員会
委員長 名和三次保

「東京都環境保全型農業推進基本方針」改定案
および「東京都有機農業推進計画」に対する意見

常日頃から、東京農業の振興のために尽力されていることに敬意を表します。さて、標記の改定案等については基本的に賛同しますが、補強すべき事項に関して意見を述べます。

1.環境保全型・有機農業の取組の促進について

2005年農林業センサスによれば、環境保全型農業に取り組んでいる農家の比率は、全国(都府県)が46%であるのに比べて、東京は69%と断然高くなっています。これは東京の農業が住宅地の中で営まれているだけでなく、農家全体において営農意欲の高い生産者が占める割合が高いという理由によるものと考えられます。
都市農業が持続可能であるためには、農産物の品質の向上や地域環境の保全といった側面に着目し、それらの取組を格段に強める必要があります。
改定案等によれば、エコファーマー認定生産者が492名、特別栽培農産物認証農家が89戸、有機JAS法にもとづく認証生産者が6戸とされています。これは農薬や化学肥料の低減に取り組んでいる農家の数は多いものの、なお、本格的な環境保全型農業や有機農業に取り組むにいたっている生産者が比較的少ないことを示しているように見受けられます。
基本方針および有機農業推進において、ぜひとも現状を倍増する取組を展望されるよう求めます。

2.都市農業の振興および都市農地の確保について

環境保全型農業や有機農業に対する取組をいっそう強化することが重要ですが、その前提として東京における農業の振興や、その基盤である農地の確保が不可欠な課題です。これは「農業振興プラン」のレベルの問題ですが、この機会に改めて基盤確保策としての農業振興・農地確保策を充実させることが求められます。そのさい、都市農地は存在そのものが環境に有益な要素をもつものであることを再確認すべきです。
現在の都市農地確保施策は生産緑地制度と相続税納税猶予制度によってきましたが、これに加えて営農実態および今後の営農意欲などを点検しつつ宅地部分についても農地と同様な猶予制度を検討すべきです。また、都内でも耕作放棄農地が増えてきており、市民農園や体験農園への活用や多面的な援農制度をさらに積極的に拡充していくべきであると考えます。

以上